消化器外科医のための抄読会のネタブログ

私の夢は毎週の抄読会がなくなることです。

2016-11-01から1ヶ月間の記事一覧

大腸におけるCOX-2発現は吻合部治癒に重要である。

12月が近づくと、忘年会やらクリスマスやらで街中があわただしくなります。我々消化器外科医は12月に消化器外科学会の抄録締め切りがあるから、それを乗り越えない限りは、年末の浮かれ気分はやってこないのだ! 以前から大腸術後にNSAIDSを使うと縫合不全が…

RAS野生型切除不能大腸癌において、原発巣の局在がPrognosticとPredictiveな指標になるか?

JAMA Oncol. 2016 Oct 10. doi: 10.1001/jamaoncol.2016.3797 今回は前回に引き続き、左右大腸癌の違いについての論文であります。First authorは泣く子も黙るTejpar先生なのだ!なんて読むんでしょうねー。他の共著者も若手のStintzing先生をはじめ、有名ど…

右左結腸癌での治療方針と分子学的特徴の違い

昨今、大腸がんの世界では原発巣の左右部位別により分子標的薬の治療効果が異なることで、もー大盛り上がりです。古そうで新しいこのテーマに関して勉強するために、今回はReviewを読んでみることにしました。論文は以下のもの。 World J Gastroenterol 2015…

大腸癌肝転移: 肝切除か全身化学療法か?

Early tumour shrinkage (ETS) and depth of response (DpR) in the treatment of patients with metastaticcolorectal cancer (mCRC). Eur J Cancer. 2015 Sep;51(14):1927-36. 背景: 大腸癌肝転移に対する治療は肝切除が第一選択で、長期生存を望める唯一…

大腸癌手術におけるプロカルシトニン測定の意義

Procalcitonin Reveals Early Dehiscence in Colorectal Surgery: The PREDICS Study. Ann Surg. 2016 May;263(5):967-72 背景 2-14%で起こり得る縫合不全は大腸手術で最も懸念される合併症である。 縫合不全は患者の術後経過に大きく影響する。 多くは縫合…

消化器外科医が抄読会で楽をするために。

臨床で忙しいのに、抄読会のために論文なんて読んでられないよ! こんな悩みを持つ消化器外科医は多いと思います。 とくに外科医は知識よりも技術が大切と考えているので、なおさらです。 うちの医局なんか早朝から抄読会をやっているもんですから、研修医な…